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世界を旅したあと日本で百姓に落ちついた。 こんないい田舎が残っている国が好きダナ。
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きむらちゃんと3びきの猫


末っ子ヨシコは中学には一度も行っていない。なのに、コウチョーは卒業

検討委員会でヨシコを卒業させることに決めたから親は卒業証書を取り

に来いと、去年の春Oyazarは呼び出された。学校に行くと生徒指導教官

と教頭、校長が雁首そろえて、まさに卒業証書授与式のヨシコ特別版を

行わんと、準正装のいでたちといんぎん無礼に、ワタシが来るのを今かと

待っていた様子だった。予想だにしていなかったその展開と雰囲気に呑

まれワタシは気押され、危うくそのまんま卒業証書代理授与式に引き込

まれる寸前であった。いっそ、そのままおとなしく「はい左様でございます

かオダイカンサマ」と目をつむって紙切れ一枚をもらってくる選択もあった

そうすれば何事もなかったかのように世間の日常がいつもと変わらず

淡々と時を刻んでいくだろうことが脳裏には浮かんだ。そんなふうに一瞬

ひるんだが、しかしやっぱりヨシコ本人の気持ちに立つと、ウソはいやだ

ろう、そう思った。まがりなりにも田舎中学の義務教育課程の現場の長

たるコウチョーが、一度も学校に足を踏み入れたこともない「生徒」に

「何々さんは卒業したことにします」だなんてウソを押し付けるとは!

かくしてヨシコの卒業証書受け取りはキッパリ拒否されてしまう。

行政処理役人たちは、意外な事の展開に右往左往し始める・・・・


Oyazarの心中は「筋が通らない!」 ただそれだけだったのだ。

2008年2月1日imadoki編


治っていくムスメ(その1)


小学校5年(正確には6年)中退の三番目のムスメはとうとう小学校

最期のお楽しみ会である日光への修学旅行にも行けなかった。そし

て小学校の卒業式にも出られなかった。中学校課程の丸々3年間は

ただただ病的なまでに家に引きこもり続けた。外界との接触も100%

と言っていい程に拒否し続けた。だから、中学校の入学式から卒業式

までの丸3年、たったの一度も、一歩も学校に足を踏み入れたことすら

ない。その学校が、席があるという、戸籍上の理由だけでムスメを

卒業扱いにして「処理」した。ワタシには「許されない」ことであった。

そこにワタシは教育現場の「教育者」たる、範を垂れるべきセンセーと

「公務員」たる行政処理役人の側面との、表と裏を同時に見せられ

いや~な気持ちになった。教育者はどこまでも教育者を貫いてほし

かった。しかし権力には逆らえない、所詮、宮仕えの身であることも

わかっちゃ~いた。わかっちゃ~いたが「憤懣やるかたない」気がした。

戦争の時、赤紙一枚で戦場に召集する、そんな国家権力の事務処理

人としての「教師」がそこにはいた。生活指導教官も教頭も校長も皆

厄介な登校拒否児童の処分を新年度の新たなメンバーに残さないで

片付けるためだけに、ワタシに卒業を了解させ、卒業証書を渡し一件

落着させたかっただけだった。何故ならこの3名が3名ともワタシの

3番目のムスメを一度たりとも見たこともなかったし、話したこともな

かったのだから。東北大なり出た、これがエリート教師の身の処し方

か、とがっかりした。子どもたちを導こうなどという「覚悟」がそこには

ミジンも感じられなかった。どこまでもただの公務員だった。



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