この世の奥義
Dec.31,2005
とうとう半年ぶりに我が家の湯舟につかった。
アメリカのバカがいつまでもイラク戦争を続けているもんだから、そのつけがまわりまわって、日本の、山形の、我が家にまで回ってきて、灯油を節約するハメになった。近頃はやたらと何もかもが「ブッシュが悪い!お前こそ悪の枢軸だっ!!」って思える。
そんなわけでOyazは夏から、仕事を終えると、修行僧になったつもりで水で行水をし、気合を入れてきた。
半年ぶりに体を湯舟のなかで伸ばしてみる。
少しぬるめの湯の中に静かに肢体が沈んでいる。
百姓を始めて、なお引き締まった腹の皮をつまんだ。そのなかにヘソがついている。
飛鳥人の血を引く先祖代代とつながっているこのヘソを、不思議なタイムトンネルの入口だと今は思える。
そうしてちんぽこがあり、毎日16km自転車をこいでひとまわり筋肉のついた太ももがある。
しかし、わたしが死んだ時、この肉体は、鍋の水に浮かぶチキンのように、ただの骨と肉と皮のついた肉塊となり、無機質な物体となり、やがて朽ちて風化し、土に帰すのである。
雪道を歩いていくと葉を落とした並木が続いている。
その剪定もしない枝枝が何故かみな、円形に見える。
針葉樹は決められてもいないのにみんな円錐形を描く。
山々の木々もこんもりと弧を描く。
星も月も太陽も球にして周る。
この世界はある法則のもと時々刻々、規則正しくまわっている、宇宙も草木も。
この人間の肉体も。
どんな美人だとしても、やがてその皮膚はたるみシミができ黒髪が抜け落ちサレコウベとなって朽ち果て、やがて草花を育てる土となる。
この法則から誰一人、ひとっこ一人逃げられない。
だのに人だけが勘違いをしている。
自分だけは違う、自分だけは自分で立って生きているし、運転するし、世界旅行するし、食べたいものを食べるし、意見をもっているし、科学でクローン人間だって作れるし、宇宙にいって船外アーム操作だってできるんだって!
たしかに人は「善悪知るの実」:いわゆる、神のいいツケを守らず食べてはいけないとされていたリンゴを食べたので、楽園から追放された、と伝えられてきた。
「善悪知るの実」とは、人の考える智力・オリジナリティの自我・創造力そして心、のことである。これだけが、他の星と草木と動物たちには与えられていない、人唯一のものである。それを人だけに神はさづけた。その代わり、人はその神を認識することができなくなった。そうして、われこそは不老不死で、なんでも自由意志とこの頭脳をもってしてでできないものはないっ、て勘違いして生き始めたのだ。
人の寿命はたかだか7、80年。
この世の法則のなかにいられる間、神は本当は「おまえにはこうなってほしい」と親心で願っているのだろう?
お金持ちになってほしいってだろうか?
人を、よその国を蹴落としてまでも1番になれってだろうか?
自然をコンクリートとアスファルトで固めて一人一台自動車に乗って二酸化炭素でオゾン層にでっかい穴をこさえてほしいってだろうか?
そうしてみんな皮膚がんになって、バカになってしまったわたしのかわいかった娘息子たちよ、残念だが、もう滅びてしまえっ!て願っているのだろうか?
とうとう半年ぶりに我が家の湯舟につかった。
アメリカのバカがいつまでもイラク戦争を続けているもんだから、そのつけがまわりまわって、日本の、山形の、我が家にまで回ってきて、灯油を節約するハメになった。近頃はやたらと何もかもが「ブッシュが悪い!お前こそ悪の枢軸だっ!!」って思える。
そんなわけでOyazは夏から、仕事を終えると、修行僧になったつもりで水で行水をし、気合を入れてきた。
半年ぶりに体を湯舟のなかで伸ばしてみる。
少しぬるめの湯の中に静かに肢体が沈んでいる。
百姓を始めて、なお引き締まった腹の皮をつまんだ。そのなかにヘソがついている。
飛鳥人の血を引く先祖代代とつながっているこのヘソを、不思議なタイムトンネルの入口だと今は思える。
そうしてちんぽこがあり、毎日16km自転車をこいでひとまわり筋肉のついた太ももがある。
しかし、わたしが死んだ時、この肉体は、鍋の水に浮かぶチキンのように、ただの骨と肉と皮のついた肉塊となり、無機質な物体となり、やがて朽ちて風化し、土に帰すのである。
雪道を歩いていくと葉を落とした並木が続いている。
その剪定もしない枝枝が何故かみな、円形に見える。
針葉樹は決められてもいないのにみんな円錐形を描く。
山々の木々もこんもりと弧を描く。
星も月も太陽も球にして周る。
この世界はある法則のもと時々刻々、規則正しくまわっている、宇宙も草木も。
この人間の肉体も。
どんな美人だとしても、やがてその皮膚はたるみシミができ黒髪が抜け落ちサレコウベとなって朽ち果て、やがて草花を育てる土となる。
この法則から誰一人、ひとっこ一人逃げられない。
だのに人だけが勘違いをしている。
自分だけは違う、自分だけは自分で立って生きているし、運転するし、世界旅行するし、食べたいものを食べるし、意見をもっているし、科学でクローン人間だって作れるし、宇宙にいって船外アーム操作だってできるんだって!
たしかに人は「善悪知るの実」:いわゆる、神のいいツケを守らず食べてはいけないとされていたリンゴを食べたので、楽園から追放された、と伝えられてきた。
「善悪知るの実」とは、人の考える智力・オリジナリティの自我・創造力そして心、のことである。これだけが、他の星と草木と動物たちには与えられていない、人唯一のものである。それを人だけに神はさづけた。その代わり、人はその神を認識することができなくなった。そうして、われこそは不老不死で、なんでも自由意志とこの頭脳をもってしてでできないものはないっ、て勘違いして生き始めたのだ。
人の寿命はたかだか7、80年。
この世の法則のなかにいられる間、神は本当は「おまえにはこうなってほしい」と親心で願っているのだろう?
お金持ちになってほしいってだろうか?
人を、よその国を蹴落としてまでも1番になれってだろうか?
自然をコンクリートとアスファルトで固めて一人一台自動車に乗って二酸化炭素でオゾン層にでっかい穴をこさえてほしいってだろうか?
そうしてみんな皮膚がんになって、バカになってしまったわたしのかわいかった娘息子たちよ、残念だが、もう滅びてしまえっ!て願っているのだろうか?